ウォーターデザイン研究会・久保田昌治のブログ

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水道水の塩素消毒

我が国では水道水は法律で塩素消毒が義務付けられている。かつ浄水場から最も離れた水道蛇口で0.1ppm以上の塩素が残留していないと水道水として供給してはならないということになっている。このように下限規制はあるが上限規制はないのである。最近目標値は設けられたが規制値ではない。したがって幾ら入れても構わないのである。もし塩素が入れ足りなくて細菌が繁殖し病人が出たら浄水場の責任になるので人情として少しでも多く入れたくなる。

実際問題として菌がゼロかあるレベル以下であれば良いわけで塩素でなくてはならないということはなくオゾンでも良いのである。

我が国で全水道水が塩素消毒を義務付けられた

我が国の全水道水が塩素消毒になったのは大戦後進駐軍が進駐してからである。時のGHQが日本人は消毒しない水道水を飲んでいるということで塩素消毒を義務付けた。

それが現在まで続いて来ている。塩素物イオンは自然界に存在したが消毒に使う塩素は自然界にはない人工品である。塩素は工業的には20世紀に入り食塩の電気分解でカセイソーダを製造する時副産物として生成する。これに対しオゾンはシアノバクテリアにより地球上で酸素が生成されその濃度が高まるに伴い雷その他の作用で生成した。このように地球上における塩素とオゾンはその成因も歴史も大きく異なる。水道水のオゾン消毒はヨーロッパですでに120年からの歴史がある。

水道水の消毒法 塩素法とオゾン法の2つの方法がある

水道水の消毒法として世界的に見て塩素を使用するアメリカ方式とオゾンを使用するヨーロッパ方式の2つの方式がある。塩素は工業的には食塩の電気分解でカセイソーダを製造する時に副産物として生成する。これに対しオゾンは通常は高電圧を用いた無声放電により製造される。消費電力の6~7%しかオゾンにならなく間違ってオゾンが生成しているような状態であり塩素に比べ高価である。

 

 

アメリカではがん患者は減っている。しかし我が国ではまだ増え続けている 水から考える

がん発症の原因はいろいろ考えられ極めて複雑である。1978年にアメリカで水道水飲用者と地下水飲用者のがん発症死亡者の比較結果が報告された。それによると水道水飲用者のがん発症死亡割合が地下水飲用者に比べはるかに高いことが分かった。何故かいろいろ調べた結果、水道水中のトリハロメタンを始めとした有機塩素化合物が原因であることが明らかになった。

同じ水はないと言うことの重要性(3)

ビルやマンション等で水道管に水を流していると必ず水垢(スケール)などが付着してくる。水垢が付着しないようにするために配管に磁石を巻き付ける磁気処理装置が利用されている。この装置を取り付けると新たなスケールの付着が防止出来るだけでなく既に付着していたスケールも剝離して行くことが知られている。

Aマンションに磁気処理装置を取り付けたら良い結果が得られた。しかし同じ装置をBマンションに設置したが良い結果は得られなかった。こんなことから磁気処理装置はおかしいのではないかとなった。ここで止まってくれれば良かったが・・・実際は磁気処理装置を勧めた人は詐欺じゃないかということになり我が国で裁判事件にまでなった。

原理的に磁気処理法は水質の影響を受け易い面がある。同じ水はないということが分かっていればこのような事件にはならなかったと思う。

 

同じ水はないと言うことの重要性(2)

半導体を用いたICがなかったら世の中は全く成り立たなくなっている。このように重要なIC製造の初期の頃 同じ原水を用い同じ水処理装置で処理した水を使用していながら季節により製品の歩留まりが変ってくることが大きな問題になっていた。最終製品での歩留まりであり1%違っても損失は大きい。半導体産業は秘密主義が強く各社がこの問題を抱え悩みに悩みこの問題を解決するのにそれぞれ数年を要した。

分かって見ればその原因は水についての最も基本的なこと。原水の水質が季節により変動していたということだった。

 

一般に水と言った場合・・・

一般に水と言った場合 それは決して純水を意味しない。必ず何かが溶けたり分散したりしたいわゆる水溶液を意味する。したがって単純には水が違うとか異なるということは溶けたり分散したりしている成分等の種類や濃度が違うということになってくる。

最近地方の時代とか地方創生ということが盛んに言われるようになって来た。我が国の将来を考えた場合 この発想は極めて重要であると考えられる。ところである地方でやったことが上手く行ったからとそれを真似てもなかなか上手くいかないのが通常である。やはりその土地独自のものが欲しいし、またそれがないとなかなか創生は難しい。そういう点では水はその土地により皆違ってくるので水をベースに地方創生を考える発想は極めて重要と思われる。